Ninjin History Blog

広島県福山市近辺の歴史について書いてます

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

藤江の里物語⑤ 歌で綴る藤江の里

白雪楼の歌が忽然と生まれてきたことについては前回書いた。 https://historyninjin.hatenablog.com/entry/2021/05/27/060815 「藤江の里の歴史的背景を見つめて」の小論を書き上げるまでの間を前後して、藤江の里を眺めながらいろんな歌が生まれてきた。 通…

藤江の里物語④ 「白雪楼」思い出記

1853年春3月、豪農山路機谷(やまじきこく)は鞆の浦にて「未開牡丹」を冠した漢詩の会を主催したことは前のブログで書いた。 その中で「白雪楼」の数奇な運命について記したが、白雪楼が藤江の里にあった期間は、単に詩文(漢詩)を講究する場ではなく、幕末に…

藤江の里物語③ 郷土史の小径(こみち)より

藤江の里の物語を少し発展させます。今回は頼山陽から斬り込んでみます。 ◆郷土史の小径(こみち)より◆ 頼山陽はかなり繊細な神経の持ち主だったようだ。しかし一旦志を立てると真っ直ぐにそれに向かって突き進む気迫を隠そうとはしなかった。 勘当され、備後…

藤江の里物語② 楽曲「一筆」によせて

◆藤江の里物語②◆ ♪「一筆」 vimeo.com 楽曲「一筆」創作の契機となったのは、未開牡丹の詩会が当時の時代背景から考えて単なる優雅な漢詩の集いではないと考えたことによる。江木鰐水(がくすい)の序文(漢文)を眺めたとき、読めない漢字語が多く詳しい意味は…

藤江の里物語① 山路機谷について

2014年頃,備後の国藤江村の江戸時代後期の様子について,地元でこつこつと郷土史の研究をしてこられたM氏の示唆や指導を受けながら,自分で調べたことも加えて一文をしたためた。 卒業する6年生にふるさとのことを忘れないでねというつもりで書いたも…

岩畳神社 岩畳の上の小さな祠

福山市の北のほうに駅家という町がある。その一番奥まったところに雨木(あめぎ)という地域が広がる。かなりの部分が山であり、山から流れ降りてくる水流が集まり服部川を形成し、福山初代藩主水野勝成(1564~1651)公が開墾を命じて作った服部大池へと注いで…

父の遺言

大正生まれの父が亡くなる少し前、いなか町の病院に入院中の父を見舞った。ふと何気なく、手元に持っていた愛読書に父のサインをもらいたくなり、ちょっとこれに一言書いてくれない?と差し出した。 その言葉が、現在の自分を支える遺言になるとは、その時、…