Ninjin History Blog

広島県福山市近辺の歴史について書いてます

2021-01-01から1年間の記事一覧

ホタルの里の歌物語(4)彼岸花

彼岸花(ソロ) on Vimeo 子どもたちと歌っておそらく一番心に響いた歌だと思います。なぜだかよく分かりませんが、私が彼岸花に対して興味を抱いて、車で出かけては彼岸花の咲いているところを探し回ったりしたことも影響しているかも知れません。 随分昔、尾…

臨時挿入歌「わがふるさと内海」

わがふるさと内海 on Vimeo ホタルの里の歌物語の途中ですが、「わがふるさと内海」という歌を臨時で挿入します。(^_^) 2年ほど前から、福山市の西南、沼隈半島の南端に位置する内海町(田島と横島という二つの島が1955年に沼隈郡内海町として町制施行された…

ホタルの里の歌物語(3)風に翼を広げて

風に翼を広げて on Vimeo 学舎(まなびや)としての服部小学校を見つめ、そこに思い出を刻んだ多くの方々の思いを束ねて、それが翼を広げて青空をすがすがしく飛べたなら、どんなに素敵なことだろうと想像を膨らませて作曲した曲です。 111年の歴史に終止符打…

ホタルの里の歌物語(2)泉湧く本郷の里

♪「泉湧く本郷の里」「服部川清く」♪ 雨木地区の中心的な地域が本郷(ほんごう)の里である。昔は繊維産業の要のような地域だったようである。今でも繊維製品を家内制手工業のようにして、家屋の中に小さな繊維製品を加工する作業場を設けて加工している家がち…

ホタルの里の歌物語(1)ぼうしを脱いでありがとう

1学期の終業式の前日、校長先生が何か閃いたような表情で、私を校長室に呼んだ。私が作曲した「ぼうしを脱いでありがとう」を明日の終業式の時、サプライズで歌ってほしいとのこと。 私はすぐに「いいですよ、やってみましょう」と約束して、生徒にも他の先…

ホタルの里の物語④ 「ひまわり」

服部小学校でのTくんとの新しい生活が始まった。二人だけの、るんるん気分の毎日が展開すると私は期待し、そう思っていた。 けれども、そこに目に見えない、なにかしらすれ違うような期待にそぐわない要素が見え隠れするようになった。 第一はひらがなや簡単…

ホタルの里の物語③ 幕間・間奏曲「金子みすず」

子供たちと歌う歌の中でも、一番にんじん先生らしいと思われているのが、金子みすずの詩にオリジナルのメロディーを添えた歌だろう。 何かの本のコラム記事で金子みすずの詩に初めて接した。ちょうど20年ほど前、2000年の12月のことだった。心にピンときてす…

ホタルの里の物語② 「ひまわり学級の歌」

T君との出会いについては藤江の里物語⑤で少し書いた。 https://historyninjin.hatenablog.com/entry/2021/05/28/022058 一応ここにその部分のみを引用しておこう。 ◆ 服部小学校に正式に赴任する2年ほど前、ご自分の母親の介護をしなければならない先生のピ…

ホタルの里の物語① 「思い出の服部小学校」

111年の歴史に幕をおろす最後の年度に私は服部小学校に勤務することとなった。T君の願いが叶って、T君の担任になった。学級の名前は「ひまわり学級」。 5年生のT君と、新しく入学したピカピカの1年生2人が加わり、3人学級だ。 年度始め、私がちょこちょこ作…

藤江の里物語⑤ 歌で綴る藤江の里

白雪楼の歌が忽然と生まれてきたことについては前回書いた。 https://historyninjin.hatenablog.com/entry/2021/05/27/060815 「藤江の里の歴史的背景を見つめて」の小論を書き上げるまでの間を前後して、藤江の里を眺めながらいろんな歌が生まれてきた。 通…

藤江の里物語④ 「白雪楼」思い出記

1853年春3月、豪農山路機谷(やまじきこく)は鞆の浦にて「未開牡丹」を冠した漢詩の会を主催したことは前のブログで書いた。 その中で「白雪楼」の数奇な運命について記したが、白雪楼が藤江の里にあった期間は、単に詩文(漢詩)を講究する場ではなく、幕末に…

藤江の里物語③ 郷土史の小径(こみち)より

藤江の里の物語を少し発展させます。今回は頼山陽から斬り込んでみます。 ◆郷土史の小径(こみち)より◆ 頼山陽はかなり繊細な神経の持ち主だったようだ。しかし一旦志を立てると真っ直ぐにそれに向かって突き進む気迫を隠そうとはしなかった。 勘当され、備後…

藤江の里物語② 楽曲「一筆」によせて

◆藤江の里物語②◆ ♪「一筆」 vimeo.com 楽曲「一筆」創作の契機となったのは、未開牡丹の詩会が当時の時代背景から考えて単なる優雅な漢詩の集いではないと考えたことによる。江木鰐水(がくすい)の序文(漢文)を眺めたとき、読めない漢字語が多く詳しい意味は…

藤江の里物語① 山路機谷について

2014年頃,備後の国藤江村の江戸時代後期の様子について,地元でこつこつと郷土史の研究をしてこられたM氏の示唆や指導を受けながら,自分で調べたことも加えて一文をしたためた。 卒業する6年生にふるさとのことを忘れないでねというつもりで書いたも…

岩畳神社 岩畳の上の小さな祠

福山市の北のほうに駅家という町がある。その一番奥まったところに雨木(あめぎ)という地域が広がる。かなりの部分が山であり、山から流れ降りてくる水流が集まり服部川を形成し、福山初代藩主水野勝成(1564~1651)公が開墾を命じて作った服部大池へと注いで…

父の遺言

大正生まれの父が亡くなる少し前、いなか町の病院に入院中の父を見舞った。ふと何気なく、手元に持っていた愛読書に父のサインをもらいたくなり、ちょっとこれに一言書いてくれない?と差し出した。 その言葉が、現在の自分を支える遺言になるとは、その時、…