「命の記憶」
億千万の旅路越え 遥か昔の
心に刻まれた記憶 そっと開くよ
解き放たれて今握りしめ
この命の光は輝くよ
解き放たれて今高らかに
歌を歌い出す
命の歌と愛の歌を高らかに
命の歌と愛の歌を高らかに
億千万の旅路越え 遥か昔の
心に刻まれた記憶 そっと開くよ
そっと開くよ
作詞・作曲 2023/4/30 historyninjin
幼き日の記憶
6才の頃ある夢を見た。父と母とすぐ上の兄と私がでてくるとても不思議で、ちょっとおぞましい夢だった。忘れられず、誰にも打ち明けることもできず30年ほど過ぎたある日、そのすぐ上の兄の家に泊まりがけで遊びに行ったことがあった。その日の夜のこと、兄と私は思い出話をしていた。
急に兄は、長男と長女は2才違い、長女とおれ(すぐ上の兄)は年子。そしてお前は5才下、一番下は3才違い。おれ(すぐ上の兄)とお前(私)の間が空いてるけど何とも思わないか?・・・と話し出した。
実は間に一人生まれるはずだったのだが、姉が原因不明の病気で倒れ、一時植物人間のようになってしまったのだとのこと。流動食で命を繋いだのだとのこと。後に回復するのだが、ちょうどその時母はみごもっていたのだとのこと。姉の病気がお腹の子どもに影響すると思った田舎の祖父母が難くなに堕胎を進めたのだそうだ。母は何度も生みたいと言ったそうだが、頑として聞いてもらえずついに病院に行き身ごもっていた子をおろしたのだそうだ。
随分と泣いたそうだ。
兄は言った「だからな、おれとお前の間には本当はもう一人生まれるはずだったんだ」と。
その瞬間眠っていた私の記憶の中からあの夢が蘇った。まざまざと見た夢がそのことを示していることがわかった。実際にあったことを私は既に夢で見ていたのだ。私は兄に言った「お兄ちゃんぼくそれ夢で見たよ、ぼく知ってたよ」と。
すると兄はいきなり震える声で「ばか!お前が生まれる前の話だぞ、お前が知っているわけない!」と一向に聞いてくれなかった。私も強いて兄を説得しようとは思わなかった。
一人になると思い出す、幼い頃に見たあのおぞましい感じの夢はまさにそのことを教えていたのだと。以後私は私一人生きていると思わなくなった。生まれることができなかった子(たぶん男の子、お兄ちゃん)と私はいつも一緒に生きていると考えよう、そう思うようになった。どんなことがあっても、どんなときも一緒に、そう考えると心がすっと軽くなるのだ。
幼な友達のあきぼくんのこともそうだ。私は必ず彼のところを訪ねて行こうと心に固く思っている。彼のことを思い出すと、私はいつも彼と一緒にいることを感ずるようにしている。となりに来て腰かけて一緒にいる姿をイメージする。
https://historyninjin.hatenablog.com/entry/2022/07/17/195832
当たり前のことだが、人は一人で生きているのではないと誰もがそう言う。では、誰と共に生きているのかなと問われると千差万別の答えが返ってくると思う。
自分が生まれてくる前の記憶を持っている子どもたちが増えているらしいという話も耳にはしている。ともかく、私たちの命には私の記憶という次元をはるかに越えた記憶も(記憶が)宿っているのだ。命そのものが誕生してきた長い旅路を、私たちは微笑みつつ歌いながら、一緒に手をとって歩いてゆこうと思う。
「君のほほえみ」
https://historyninjin.hatenablog.com/entry/2022/06/25/063127